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今回は、ヤンデレのルークです。
ヤンデレルーク3の続き(後編)になります。
ちなみに、ここでは嫉妬心はんぱないルーク、猟奇的行動に出るルーク(抜刀したりします。)自分を傷つけるルークをヤンデレと呼んでます。
ヤンデレに関して解釈が違う方、そんなルークは無理と言う方はブラウザバックをお願いします。
※今回は流血表現があります。
死ネタではありませんが、ご注意ください。
「つづきはこちら」から小説になります。
TOW2設定です。
ヤンデレルーク3の続き(後編)になります。
ちなみに、ここでは嫉妬心はんぱないルーク、猟奇的行動に出るルーク(抜刀したりします。)自分を傷つけるルークをヤンデレと呼んでます。
ヤンデレに関して解釈が違う方、そんなルークは無理と言う方はブラウザバックをお願いします。
※今回は流血表現があります。
死ネタではありませんが、ご注意ください。
「つづきはこちら」から小説になります。
TOW2設定です。
目を開けると、ルークは自分のベッドの上にいた。
どうしてここにいるんだ?
と思いながら上体を起こす。
少し考えて、そしてユーリのことを思い出す。
「ユーリ!!」
急いで起き上がって部屋を飛び出すと、そこには待ち構えていたようにジェイドがいた。
「あ……。」
ルークの口から洩れた言葉にジェイドはため息をつくと、落ち着きましたか?
と、思ったより優しい声音で聞いてきた。
その言葉に、ベッドに横たわる前のことを思い出した。
「………うん。ごめん、……ありがとな。」
ルークの答えに、ジェイドはしょうがないなと苦笑する。
「いいえ、私も突然すみませんでした。」
「それで、ユーリは?!」
間髪入れずに聞いてくるルークにジェイドもすぐに答えた。
もう、教えても飛び出して行ったりはしないだろう。
「あの女性からの情報を整理したところ、大体の場所が絞れました。」
「そっか、じゃぁ行こう!」
まっすぐに自分のことを見つめてくる少年に、ジェイドは頷くと、駆け出すルークの後を追いかけて行った。
それから、ルークは必死にユーリを探し続けた。
最初に目を付けた場所では、ユーリの服と思える敗れた布を見つけた。
間違いなく、近くにはいたはずだ。
ルークはより必死に近くを探した。
毎日毎日、もうメスカル山脈で見たことがない場所は無いのではないかと言うくらい必死に…。
けれど、ユーリがいなくなって二週間、未だにユーリは見つからなかった。
「ルーク……せめて一口だけでも……。」
そう言ってティアが持ってきてくれた食事を、ルークははねのけた。
「いらない…。」
「ルーク、まず食べなきゃ探す体力もつかないだろ?」
「食べたくない…。」
自身のベッドの上で膝を抱えうずくまったルークは、一向に顔をあげず、ティアとガイの言葉に答えていた。
ユーリがいなくなってから、ルークは食事らしい食事をとっていない。
たまに思い出したように飲み物や、パンを一切れかじるくらいで、それ以上は食べても吐き出してしまうのだ。
青い顔に、以前より病的に痩せてしまった体は、見ていて痛々しかった。
「じゃぁ果物は…?」
ティアがそう言ってリンゴを取り出すと、ルークはちらりと顔をあげ、ティアの方を向いた。
今までと違う反応があったので、ティアはすぐさまリンゴを剥こうと、自身の持つナイフを取り出した。
「今すぐ剥くから、少しだけ待っていて。」
そうルークに言った時だった。
部屋の中にジェイドとチャットが入ってきた。
ティアは上官が来たことで、ナイフとリンゴをベッドサイドに置き、ジェイドに向き直った。
「食事中にすみません。」
そう言ってルークを見るジェイドは、ため息をついた。
「…と言っても、食べてはいないようですが…。」
「………。」
ジェイドのそのまなざしを受け流し、ルークは一向に答えなかった。
「そんな状態のあなたに言うのは、少し酷かもしれませんが……。」
ジェイドは一呼吸置くと、ティアとガイの方に一度目くばせをして、ルークの方に視線を戻した。
「!!」
それだけで事態を察したティアとガイは、すぐさま視線を下に向け、唇をかみしめた。
「………。」
そのただならぬ雰囲気に、ルークは3人の様子をいぶかしげに見つめる。
いったい、どうしたというのか……。
「ルーク……残念ですが、ユーリの救出は打ち止めになりました……。」
「?!」
ジェイドの言葉に、ルークは飛び起きて、その胸ぐらをつかんだ。
「なんで?!なんでだよ!!」
「落ち着いてください、ルークさん!」
チャットがそれを止めにかかりながら、補足の説明をする。
「……もうユーリさんがいなくなって二週間です…。常識的に考えて、生存は限りなく0パーセントに近い…。本当は、僕だって……。」
「ですが永遠に探し続けるわけにはいきません。……もうそろそろ、潮時です。」
消えかかってしまったチャットの言葉の続きを、ジェイドは淡々とつける。
その言葉の数々に、ルークの心はひたすら打ちのめされた。
胃に何も入っていないはずなのに、吐き気がする。眩暈がする。視界がぐらつく……。
ジェイドの胸ぐらをつかんでいた手は、いつの間にか離れ、ルークは床に崩れ落ちていた。
「嘘だ………。」
「ルーク……。」
かける言葉が見つからず、ティアはそう呟いたまま、ただルークを見つめる。
……あんなにも仲が良かった二人だ、自分ですらこんなにも喪失感を感じているというのに、ルークはどれほどの傷を受けたのだろうか。
「ユーリ……、ユーリは生きてる……。」
うつろな眼差しで、そう首を振り続けるルークに、ジェイドは膝をついて視線を合わせようとする。
「ルーク、ユーリは……もういないんです。」
「!!」
けれどそれは、ルークにはどうしても受け入れられない言葉だった。
その言葉にルークは立ち上がると、ベッドサイドにあったナイフを手に取った。
「嘘だ!!」
「落ち着きなさい、ルーク!!」
「嫌だ!嫌だよ!!ユーリがいないなんて……。俺、俺…そんなの耐えられない…。」
ルークは笑いながら、ぽろぽろと涙をこぼしていく。
今まで必死に抑えていた感情が爆発してしまい、ルーク自身でもどうにもできそうにはなかった。
「ユーリがいないなら、もう、生きててもしょうがない…。」
「ルーク!!」
ほかの二人の静止も届かず、ルークはナイフを手首に押し付けた。
とたんに赤い血が舞い上がる。
「ルーク!!!」
叫んだティアが急いで近づき、すぐさま回復術の詠唱を始めた。
果たして間に合うのか…顔面蒼白のティアの額に、冷や汗が浮かぶ。
「ルーク、聞いて!!ユーリが、ユーリが帰ってきたよ!!」
これほど嬉しいことはない。そう言っているような笑顔と声音で、ファラは部屋に駆け込んできた。
この言葉を聞いてどんなにうれしい顔を浮かべているだろうかと、ファラは赤毛の少年にその大きな瞳を向ける。
そして、その動きが止まった。
「おい、引っ張るなって!まだ完ぺきに傷が治ったわけじゃ……。」
ファラに引かれ、遅れて顔をのぞかせたユーリが、急に動きが止まったファラに眉をひそめると、どうしたんだ、と部屋の中を覗き見る。
「ルーク?!!」
ユーリは急いでルークに駆け寄った。
目に入ったのは、血まみれでティアに抱えられ、横たわるルーク。
ティアは必死に詠唱をし、ガイとジェイドは立ったまま動かず、とても話が聞ける状態には見えない。
いったい何があったというのか、まったく状況が解らなかった。
「ゆー……り……?」
久しぶりに聞いたユーリの声に、髪の毛だけではなく、全身が赤く染まったルークが答えた。
「ルーク!意識が…!!」
ユーリの声に意識が回復したルークに、ティアはさらに強力な術をかけ続けていく。
「どう、して…?……おれ、…しんだ、から……あえた、の?」
酷く綺麗な笑顔でそう笑うルークに、ユーリの全身をゾワゾワとした何かが這い回るのを感じた。
「ルー……ク……。」
ルークの言葉に、ユーリはすぐさま駆け寄ると、ルークの手を力強く握る。
そうすると、ルークはさらに嬉しそうに微笑んだ。
「ユーリに…あえた……。」
それだけを言うと、ルークは再び意識を失った。
「いけない!急いで医務室へ!!」
漸く落ち着きを取り戻したジェイドが、声を張り上げる。
その言葉に、全員意識を取り戻し、すぐさま動き始めた。
ユーリはルークを急いで抱き上げて医務室へと連れて行く。
久しぶりに抱いたルークは、驚くほどに軽かった。
ユーリは崖から落ちた後、偶然にも地質を調べていた調査隊に治療され、一命をとりとめていた。
そのままその調査団に二週間世話になっていたのだ。
動けるようになったのもつい最近で、連絡も取れなかったのだという。
メスカル山脈は広い。
そこを動き回る調査団にいた所為で、バンエルティア号の船員とは会えなかったのだろう。
そうしてようやく帰ってきたユーリの目の前にはルークのあの惨状だった。
今までの事情を聞いたユーリは、何とも言えない虚脱感に覆われた。
まさしく、あの光景は、自分が引き起こした事だったからだ。
そうして、今に戻る。
ルークはあの後何とか回復し、今はベッドの上で療養生活をしていた。
ルークがしっかりと回復したら、たくさん話をしよう。
そして、ちゃんと謝ろう。
そんなことを考えていたユーリだったが、そううまくはいかなかった。
ルークはあの日以来、自分の体を傷つけるようになった。
今、自分の手首を切ろうとしていたように。
刃物はすべて取り上げたはずなのに、ルークはどこからかそれを持ってきては、自分の体を傷つける。
けれどそれは決まって、ユーリがルークの傍にいないときだった。
あの日いらい、ルークは自分を傷つけるとユーリにあえると思い込んでしまったのだ。
だから、ユーリの姿が見えないと、ルークは簡単に自分を傷つけた。
「ユーリだ。」
目線をそらしていたユーリは、そのルークの嬉しそうな声に魅かれて、ルークの方に視線を戻した。
「ルーク……。」
かみしめるように言いながら、ユーリはルークを抱きしめた。
「ルーク、もう自分のこと傷つけるのはやめろ…。」
これ以上愛しい人が傷つくのが見ていられず、ユーリはきつく抱きしめながら、ルークにそう訴えた。
「ユーリ、また居なくなったのかと思ったから、会いに行こうとしただけだよ。」
至極明るく言うルークに、ユーリは目を伏せた。
「……お前が自分で自分のことを傷つけなくても、俺が行くときは、お前も一緒に連れて行ってやるよ……。」
「本当?!」
ルークは嬉しそうに、自らもユーリを抱き返した。
「それなら、ずっと一緒だな。……もう、ユーリがいなくなることなんかなくなるんだ……。」
心から安堵したように呟いたルークの言葉が、ユーリの心を覆っていく。
「そうだな、ずっと一緒だ。」
「死ぬときは、一緒に死のうな、ユーリ。」
「あぁ……。」
幸せそうに言うルークを、ユーリは力強く抱きながら、そう約束をした。
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