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本当に、拍手とか、コメントとかくださる方がいるので、日記ぐらいにはあげて良いかなーと言う結論に至りました。
というわけで、再び調子に乗って第三弾です。
でも苦手な方は絶対にいると思うので、本当そういう方は今すぐ戻ってくださいね。
ちなみに、ここでは嫉妬心はんぱないユーリ、じゃっかん乱暴をするユーリをヤンデレと呼んでます。
ヤンデレに関して解釈が違う方、そんなユーリは無理と言う方はブラウザバックをお願いします。
「つづきはこちら」から小説になります。
TOW2設定です。
「ゆーり……。」
その閉ざされたドアを睨み付けながら、ルークは恋人の名前を呟いた。
明るい日差しが差し込む部屋の窓からは、海が見える。
ただし、嵌め殺しの窓が開くことはない。
こじんまりとした部屋のなかには、ベッドとテーブルが一つずつと、本棚が一つ。
後は淡いピンクの花が飾られた花瓶があるだけだ。
ルークはベッドの上に体育座りをしながらもう一度その黒髪の青年の名を呼んだ。
けれど返事はない。
彼がこの部屋にいないのは、仕事とたまにする買い出しの時だけ。
いわば、今はチャンスだった。
そう思いながら、ルークは自分の足元を見る。
そこには、足枷がはめられていた。
多少たゆみのある鎖は、ベッドの足にくくられている。
これでは部屋の中は歩けても、外までは出ることはできない。
そして、それ以前に、鍵のかかったドアを開くこともできない。
ルークは、ここに一か月以上閉じ込められていた。
最愛の恋人の手によって……。
「帰ったぞ、ルーク。」
その声にルークは肩をビクッと震わすと、膝の上に伏せていた顔をゆっくりと上げた。
そこには、機嫌がよさそうに笑いながら部屋に入ってくるユーリがいる。
「………おか、えり…。」
ルークの言葉に口元を緩ませることで答えると、ユーリはルークの近くによっていった。
「……お前、また飯残したのか?」
「………。」
ユーリの問いに、ルークは答えない。
ここ一か月、食事はまともにとっていなかった。
とても食べれる気分にはならないからだ。
そしてそのたびにこの質問は繰り返された。
それに素直に食べたくないと答えれば、俺が作ったのにどうしてそんな事を言うのだと怒鳴られる。
もはや食べたくない以外の答えがないルークにとっては、何も伝えることはなかった。
「………飯は食えって、何度言ったらわかるんだよ…。」
言いながら、ユーリはルークをベッドの上に押しつけた。
膝を抱える体制を崩されたルークは、簡単に組み敷かれる。
その勢いに、足枷を繋ぐ鎖がガシャンと音を立てた。
「あぁ~あ……。こんなに細くなっちまって……。もうちょっとふっくらしてた方が俺の好みなんだけどな…。」
腰や胸、腕を触りながらユーリは至極残念そうに言った。
「ユーリ……出して……。」
ユーリはそれに返事もせずに立ち上がると、来たときに持ってきた紙袋に手を伸ばした。
「……お前これならちゃんと食うかと思って、今日はチキンかってきたぜ。」
「ユーリ…ここから、出してくれ……。」
バンッ!!
ルークの言葉に、今度は反応が返ってくる。
机をたたく大きな音に肩を震わせながらも、ルークはユーリを見上げた。
「ルーク、お前は俺のものなんだ。」
言いながらルークを見つめるユーリ。
そして、再びルークに近づいてくる。
ルークはユーリから視線が動かせなかった。
「………。」
「それなのに、他のやつらと話されるとイライラするだろ?他のやつがお前と居るだけで頭がおかしくなりそうなんだよ。」
「でも、一番はユーリだ…。みんな優しいから、俺に話しかけてくれるだけで……。」
ドスンッ。
鈍い音が部屋に響いた。
ユーリが倒れこむようにして、ルークをもう一度ベッドに押し倒したからだ。
「お前がそうでも、お前を狙うやつがあそこにはいっぱいいるんだよ。そんな奴らと話す必要なんかない。」
「俺は、絶対にユーリが一番だ。だから……みんなに合わせてくれ…。」
これ以上ここに閉じ込められていれば、ルークの方がおかしくなてしまいそうだった。
「何回言えばわかんだよ!お前は俺にだけ笑いかけて、話しかけて、俺のことだけを考えていればいいんだ!!」
けれどルークの言葉はユーリの逆鱗に触れた。
あごを下からつかまれ、ちから任せに握られる。
「…っ…。」
ギリッと歯がきしむ。
ルークは痛みに耐えながらも、ユーリから目はそらさなかった。
「けほっ……っ……、それに、もう俺がいなくなってから1ヶ月だ…さすがにグランマニエの国が動き出す…。俺は、ユーリが罪人になるのは嫌だ…。」
手を離され、息を整えながらルークは言った。
もし、俺がかばったとしても、残念なことに自分はグランマニエ公国の王位継承権を持っている立場だ。
こんな状況が見つかれば、ユーリの処分がどんなものになるかは想像に難しくない。
「はは…くくっ…ははは…。」
ルークの言葉に、ユーリはさもおかしそうに笑い声をあげた。
どうしたのかと思い、無言でそれを見ていると、ユーリはルークの顔にキスをしながら続きを語る。
「大丈夫なんだよ、ルーク。お前、ナディにさらわれてることになってんだからな。」
「?!」
確かに、俺がここに閉じ込められてからも、ユーリはバンエルティア号で仕事を請け負い、みんなとも会っているようだったから、おかしいとは思っていた。
二人で一緒に暮らしたいだとか、そんな理由をつけてみんなに言い訳しているのかと思っていたのだが…そんな想像は甘かったらしい。
自分がユーリと一緒にいることすら、船のみんなは誰も知らないのだ。
「みんな馬鹿みたいに心配してたな。…はは、お前は俺と一緒にいるのにな。」
そう言って笑うユーリに、背筋が凍る。
「そんなウソ…ナディが捕まれば一瞬でばれる…。」
「……本当にそう思ってんのか?」
その言い方に、ルークの脳裏に様々な想像がよぎった。
もし、ユーリが適当に“喋れなくなってしまったナディ”を一人準備して、そいつが単独で俺を誘拐して閉じ込めてしまったとみんなに話したら…。
そのナディはもう“喋れない”のだ…、自分の居場所は誰もわからないということになる…。
ユーリの言うことは、みんな信じるだろう…。
捜索隊も組まれるだろうが、ユーリもそれに加わるはずだ。
自分はきっとうまい具合に隠され続ける…。
そして生存の可能性は薄いと、捜索隊が打ち切られることすら考えられた。
「どうだ?ルーク…。いろいろ想像したみたいだが、良い道はあったか?」
笑いながら聞いてくるユーリに、ルークは何も言う言葉が見当たらなかった。
「だから、お前は俺のものなんだよ。」
唇同士が触れ合う。
あぁ、もうこのまま堕ちてしまおうか…。
ルークは一筋涙を流しながら、ゆっくりと目を閉じた。
きっと、何も考えずに彼に身を任せてしまえば、楽になれる気がした。
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そのうち、ルークが病んでいるのにも手を出してみたいです・・・。
とか、言ってみます。
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