Fe.F. ぷち小説※ユリルク←ヤンデレジェイド注意 忍者ブログ
 
日記
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毎回のごとく、ヤンデレです。

が、今回はジェイドがヤンデレです。
珍しく、ユーリはまともです。

タイトル通り、ユリルクにヤンデレのジェイドが絡んで、ルークを奪おうとしてきます。
TOW2設定なので、ジェイドはルークの家臣です。

ちなみに、ここでは嫉妬心はんぱないジェイド、乱暴をするジェイド、と言う様な、ルークが手に入るためなら何でもしてしまうジェイドをヤンデレと呼んでます。ヤンデレに関して解釈が違う方、そんなジェイドは無理と言う方はブラウザバックをお願いします。
基本的にジェイドはルーク以外のキャラに冷たいです。
それは無理!と思った方もご注意ください。

また、今回は流血表現があります。
苦手な方はご注意ください。

「つづきはこちら」から小説になります。

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幼いころからこの朱色の気高い主人は、私の物だった。
その愛らしい笑顔と声、守りたくなる性格と器。
大切に、大切にしてきたのだ。

なのに、どうしてそれを、どこの馬の骨かもわからないあの黒髪の男に譲らなくてはいけないのか。考えただけで体中をドロドロとした黒いものが駆け巡り、自分の思考を占拠していく。

そうして思いついた。

どうしても手に入らないのなら、無理やりにでも自分のものにしてしまえばいいのだと。
愛しいあの子を手に入れるためならば、他の事はどうでもよかった。




だってあなたは私の物なんですよ、ルーク。








「ルーク。」

呼び止められたその甘ったるい声音に、ルークはビクリと体を震わせて歩みを止めた。同じく隣を歩いていたユーリも、とたんに不機嫌を丸出しにして動くのをやめると、大きなため息を吐いて振り向いた。
ルークは、そんなユーリの服の裾をつかみながら、ゆっくりと顔を半分だけその声の主に向ける。全身で振り向く勇気は無かった。

「ジェイ…ド…。」

小さい声で呟くルーク。
それでも名前を呼ばれたことが嬉しいのか、ジェイドはより目を細めて笑みを浮かべると、ルークに近寄っていく。

ジェイドが歩みだしたと同時に再びルークの体が大きく震える。
ユーリはそんなルークを守るかのように前に立つと、ルークを自分の体の後ろへと隠した。

「ルーク、そんなところに隠れてないで出てきてください。」

ジェイドにはユーリはただの壁にしか見えないのか、まるで無機物を相手にするようにユーリを受け流すと、ルークに優しく声をかける。

微笑むジェイドと目があったルークは、少しだけ思案するものの、すぐに首を横に振った。

「ご、ごめん、ジェイド…。今、ユーリと急いでるから…。」

特に急ぎの用事などないものの、何とかこの場を逃れられないかとルークはそう言葉を紡いだ。けれどそんな嘘、ジェイドに通じるはずもない。
ルークも、そんなことは解っていた。

「……………。」

とたんにジェイドの眼差しが冷え切ったものになる。
獰猛な蛇に睨まれた蛙のように、ルークの身は縮こまった。

「おい、おっさん、聞こえただろ。俺とルークは行くとこがあんだよ。」

「………手間を取らせる用事ではありません、5分だけ私に付き合ってくれませんか、ルーク。」

ユーリが見かねて放った言葉を聞いているのかいないのか。
ジェイドは今度は有無を言わせぬどこか圧迫感のある笑みを浮かべると、ルークの手を引いた。

「!」

とっさにルークは手を振りほどこうとするものの、軍人と貴族の筋力の差は著しく、年齢差を忘れさせる程の歴然の差だった。
手前に引いた自分の手が動くことはなく、ルークはそのままグイグイとジェイドに引っ張られていく。

「っ…!」

ユーリは舌打ちをすると、ルークの手首を掴むジェイドの手をぐっと抑え、ルークから引きはがした。そしてそのまま、再びルークを自分の後ろへ仕舞いこむ。

「………。」

そこで初めて、ジェイドはユーリを睨み付けた。
その瞳は憎悪を色濃く宿している。
漸く自分の事を認識した相手に、ユーリも冷淡な眼差しを向けた。

と、一閃。

目の前の男から光が放たれたと思うと、その手に槍が現れる。
そのままその槍はユーリに向けられた。

「!!」

とっさに手にしていた剣で攻撃を受け止めるものの、光で目がくらんだユーリはバランスを崩す。そんな隙をジェイドが見逃すわけもなく、ギラリと目を光らせると、そのままユーリの腹部に向かって、追撃を放った。

「ユーリ!!」

ルークの声がバンエルティア号の廊下に響く。

ギィイィィン

と耳につく金属音が、ルークの声に続いて辺りに響き渡った。

「……ぐっ…。」

ユーリは苦しげな声を漏らすと、その場に片足をつく。

「ユーリ!!」

青ざめながらユーリの具合を心配するルークに、大丈夫だと制すと、若干苦痛にゆがめた顔をジェイドの方へと向けた。

「……やってくれるじゃねーか、おっさん。」

ぽた…、ぽた…と、微量ではあるが、ユーリの横腹から血が滴る。
何とか剣でジェイドの槍の軌道をそらすことはできたが、よけきることはできなかったらしい。

「おや、おしいですね。」

漸く仕留めることができたと思ったのですが、と笑いながらジェイドは続ける。

「……ジェイド…、もう、やめてくれ…。」

こんな光景に耐えられなくなったルークは、瞳に涙を蓄えながら、ジェイドの方を向いた。
自分の大好きな人と、国の大切な仲間が傷つけあう光景は、もう耐えられそうになかった。

「いいですよ。」

思ったより、あっさりとそう言うジェイドに、ルークの口からは「え…。」と驚きの言葉がこぼれた。その様子にジェイドはくすりと笑う。
ジェイドの笑う姿に、ルークはゾクリとしたものを感じた。

「あなたが、この薬を飲んでくれれば、いつでもやめますよ。」

そう簡単に、事が運ぶはずは無かった。
ジェイドが懐から出した小さなビン。中には無色透明の液体が含まれている。

「ルークッ!」

その液体をじっと見つめるルークに、ユーリは焦って声をかけた。

「そんな条件飲むな!」

「ユ、ユーリ…。」

ルークは冷や汗を浮かべながら、困惑した表情をユーリに向けた。
どうすればいいのか、戸惑っている目だ。

「おや、そんな事を言っていいんですか?」

ジェイドは言いながらビンとは反対の手にある槍をユーリへと突きつけた。
傷を片手で抑えながら足をついてしまったユーリには、もはや抵抗するすべはない。

「ルーク、あなたはこの黒い男が、真っ赤になるところを見たいですか?」

「ジェイドっ……!!」

ルークは飛びつくように、ジェイドの槍を持つ手を抱きしめて、その動きを奪う。

「ダメだ、ジェイド…やめてくれ……。俺は、ユーリが傷つくのも、ユーリを傷つけるジェイドも、どっちも見たくない……っ!」

自分の元を離れてジェイドへと寄った恋人に、ユーリは焦って声をかける。

「ルーク、俺は大丈夫だから、早くこっちに戻って来い!!」

けれどそんなユーリの声に、ルークは答えない。
目を伏せ、ただ黙っている。

「正しい選択だと思いますよ、ルーク。」

ジェイドはルークに優しげに微笑むと、小瓶をルークの手に渡した。

「それは感情を操る薬です。飲めば、貴方の好きと言う感情が全て私に向くようになります。」

「!!」

ジェイドの言葉に、ルーク、そしてユーリの体も強張る。

「……おい、おっさん、ふざけんなよ。」

どす黒い空気を纏いながら言うユーリをものともせず、ジェイドは続けて笑う。

「ふざけてなんていませんよ、本気です。」

一瞬も揺らがない瞳に、その真剣さを感じ取ったユーリは、どうにかやめさせようと言葉を続けた。

「そんな薬で心を手に入れて、何が楽しいんだ。」

「……私は欲張りなんです。」

フッとジェイドは微笑む。

「体だけなら、無理やりでも自分の物にできる。」

なんの悪びれる様子もなく淡々とジェイドは続けた。

「けれどそれだけでは足りない。私はルークの心が欲しいんです。」

「無理やり作った心でもかよ。」

「無理やり?ルークの口から私を愛していると言う言葉が紡がれれば、その原因がなんだろうと、それは事実なんですよ。」

さもおかしそうに笑う男に、ユーリは顔を歪める。

「そんなに好かれたいなら、好かれる努力でもしてみろってんだ。」

負け惜しみのように言った言葉をジェイドは鼻で笑う。

「残念ですが、もうそれほど若くはないんです。」

そして耐えられない。
努力しても本当に自分に振り向いてくれるのか。
結局叶わないで終わるのではないだろうか。
自分に振り向いてくれるまで、自分以外の人間と楽しそうに過ごすルークを見続けながら、不安を抱えたまま過ごすなんて、自分には到底無理だった。

今すぐにても、ルークが欲しくてたまらないと言うのに…。

「それに、私はあなたが思っている以上に臆病なんですよ。…そして、あなたが思っている以上に、私はルークを愛しているんです。」

静かにそう語りながら、ジェイドはスッとユーリの足に槍の刃を突き立てた。

「ぐあぁッ…!」

あまりにも静かに行われた攻撃に、ユーリは目を見開いてくぐもった声をあげる。再び音も立てずにその刃が抜かれ、裂けた皮膚から、とめどなく血が流れ続ていく。

「さぁ、ルーク、飲みなさい。貴方のユーリがどんどん傷ついて行ってしまいますよ?」

与太話はここまでだと、ジェイドはルークに優しく笑いかけた。
その手に握られた槍は、すでに先ほどとは反対のユーリの足へと向いている。

「ユーリ!…やだ、やめろ、やめてくれ!」

あぁ…、そんなに必死になるんですね。
この男のために…。

この黒衣の男が、羨ましくて、憎らしくて、消してしまいたくなる。

「やめて欲しいなら、それを飲みなさい。さぁ、早く。」

「やめろ!!飲むな!!」

そう叫ぶユーリの声がルークには何処か遠い世界のように感じた。

だって、もうこれ以上はこんな光景を見ることができない。

俺は欲張りだから、どちらかなんて選べない。ユーリが傷つくのも、ジェイドがユーリを傷つけるのも、もう見たくないんだ。

そうなるくらいなら……。

ルークはビンの蓋をあけると、一回深呼吸をしてユーリに向き直った。
そして、今できる最大限の笑顔でその言葉を伝えた。
きっと、もう二度とユーリに言うことは出来ないだろうと思って。

「ユーリ“愛してる”」

「ルーク!!」

ユーリの最後の静止も届かずに、ルークは小瓶の中身を一気に呑み込んだ。
顔面蒼白になるユーリとは真逆に、ジェイドは恍惚とした表情を浮かべて、その光景を見ていた。


これで、ようやくルークは自分の物になる。


最後にユーリに愛していると言ったことくらい、許してあげようではないかと、そんな寛大な気持ちになるほどジェイドの心は高揚していた。

「くっ…。」

呻き声をあげてしゃがみ込むルークを、ジェイドは優しくその腕で抱きしめた。
ほどなくして、苦しげに閉じられたルークの眼が開かれる。
とろんとした、どこか酔っているような瞳が捕らえるのは……………。




「ジェイド……。」




紡ぎだされた言葉は、酷く残酷なものだった。








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「それは感情を操る薬です。飲めば、貴方の好きと言う感情が全て私に向くようになります。」
は、笑うところです\(^q^)/


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