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毎回のごとく、ヤンデレのユーリです。
が、今回はフレンもヤンデレです。
タイトル通り、ヤンデレになるかならないかの二人がルークを取り合っています。
ちなみに、ここでは嫉妬心はんぱないユーリとフレン、じゃっかん乱暴をするユーリとフレン、をヤンデレと呼んでます。ヤンデレに関して解釈が違う方、そんなユーリとフレンは無理と言う方はブラウザバックをお願いします。
また、基本的にユーリとフレンはルーク以外のキャラに冷たいです。
それは無理!と思った方もご注意ください。
「つづきはこちら」から小説になります。
フレンもいますが、TOW2設定です。
ルークは今、求愛されていた。
「ルーク、僕と、結婚を前提に付き合ってはくれないか。」
「えーっと………。」
「もちろん、君はグランマニエの王族と言う身であり、僕は他国の騎士団長だ…。けれど、君となら僕はどんな困難も乗り越えて見せるつもりだ。」
そう真摯な眼で語ってくる金髪碧眼の、自分よりも王子様らしい容貌の彼に言われれば、きっとどんな女性でも落ちたことだろう。
見た目も良ければ性格も真面目で、しかも帝国の騎士団長。
誰もがほおってはおかない物件だ。そう、女性なら。
「でも、フレン……俺、男だし。」
身分以前に、性別の問題だと、ルークは遠慮がちにそう言った。
「それこそ小さい問題だよ、ルーク。」
間髪入れずに返してくるその回答に、ルークは大きなため息をついた。
まったく話が通じそうにない…。
「ってか、フレンってエステルのことが好きなんじゃないのか?」
先日帝国から、エステルを連れ戻しに来たこの騎士を見たときに、ルークはそう思っていた。
エステルがどうしても帰らないと言うので、それならエステルがこのギルドでやるべき事を終えるまで、自分が護衛をすると言ったフレンに、いくら仕事でもそこまでするということは、ちょっとはそんな気があるのだろうか、と漠然とではあるが、考えていたのに…。
「はは、嫉妬しているのかな?エステリーゼ様は、僕が信頼して尊敬するお方だ。けれど、僕が一番愛しているのは君だよ、ルーク。」
さわやかに笑って言う彼に、ルークはなんだか背筋がゾクゾクとした。
嫉妬なんかしていないと殴り飛ばしてやりたくなる。
そんなことを思えるうちはよかった…。
「どうかな、ルーク。出来れば返事が欲しいんだけれど。」
言いながら迫ってくるフレンに、ルークは逃げるように一歩一歩後ろへと歩いていく。
「いや、だから…えっと…。」
男だから、と言う理由で納得しなかった彼に、なんて言えばいいのだろうとルークは必死に考える。
早くしなければ、このまま壁際に追い詰められてしまう。
コツンッ
踵が壁に当たったのを感じ、ルークは自分の後ろを振り返った。
まずい。
もう、これ以上下がれない。
「ルーク、なんで逃げるんだい?」
笑顔で迫ってくるフレンは、もう目の前だ。
「ね、ルーク。必ず幸せにすると誓う。だから、僕と付き合ってくれ。」
ガッ、とルークの両脇に手を置き、ルークを逃げれないように壁と自身の間に閉じ込めると、フレンはそのままどんどん顔を近づけていく。
(これは、まずいって…!!)
「おいフレン、どけよ。」
今にも顔がくっついてしまいそうになった時、第三者の声がその部屋に響いた。
「ユーリ……。」
その部外者の介入に、フレンの機嫌が一気に氷点下に下がる。
当のユーリはそんなことは全く気にも留めず、ズカズカと近づいていくと、フレンの手をどけてルークを自分の方へと引き寄せた。
「何をするんだ、ユーリ……。」
落ち着いた声音でも、その声には背筋が凍りそうな程の不穏な気配がまとわりついている。
「それはこっちのセリフだ。」
対するユーリも、それに負けず劣らずな冷気を纏っていたため、ルークは助けてもらったにもかかわらず、ユーリからそっと離れた。
「おい、ルーク。せっかく助けたのにどうして俺から離れるんだ。」
とたん、見開かれた鋭い目で射抜かれたルークは、ビクッと体を震わす。
「ユーリ、ルークが怖がってるだろう。」
ユーリを卑下するように言ったフレンは、自分のところにおいで、と甘い声音で語りかけてきた。
けれど先ほどの恐怖が抜けないルークは、その声に首を振って答える。
「はっ、お前だって怖がられてんじゃねぇか。」
さも楽しそうに笑うユーリに、フレンはきつい視線を送ると、再びルークに近づいていきルークの前に跪いた。
そしてそのままルークの片手を救うと、その手の甲にキスをしながら甘い声で、瞳でルークを惑わすのだ。
「ルーク、僕の気持ち、受け取ってくれないか。ユーリと違って、僕は優しいよ、ルーク。」
そんな愛の囁きに、納得がいかないのはユーリだ。
ユーリも同じくルークの前に跪くと、残っていた方の手をとって、同じようにその手の甲に口づけた。
「俺にしろよ、ルーク。フレンより、誰よりもお前を愛してやるよ。」
両手をとられ、逃げ場を失ったルークは、下から見上げてくる二人から必死に目線をそらす。
その顔は赤面していて、ドギマギする仕草と相まって、どうしようもなく可愛らしかった。
「う、嬉しい……けど……でも俺……。」
覚束ない口の動きで、たどたどしく話すルーク。
けれどその先は言いにくいのか、なんと言えば良いのか解らないのか、なかなか進まない。
「ルーク、僕を選んではくれないのかい?」
その状況に先にしびれを切らしたのはフレンだった。
立ち上がり、いつまで待っても帰ってこない回答と、「でも」と言う言葉に、あまりいい回答を得られないと思ったのか、ルークの手を握る力を徐々に強めていく。
「当たり前だろ、俺の事を選ぶんだからな。」
同じように立ち上がり自信満々に言うユーリも、焦ってはいるのか、フレンと同様ルークの手をつかむ力が強くなる。
「っ……。」
その力に、ルークは苦痛の表情を浮かべた。
思わず二人の手から、自分の手を引き抜こうと力を込める。
「っ!」
けれどそれはかなわず、逆に二人にグイッと手を引かれた。
「やだっ……。」
痛みと、無理やり引き寄せられたことから思わず漏れた言葉に、二人の顔つきが鋭くなる。
『………やだ?』
自分を見つめる求婚者の声が重なる。
その盲目なまなざしと、背筋を凍らせる声音が自分へと突き刺さる恐怖に、ルークは身震いをした。
このままでは、危ない。二人の目を見た瞬間から、脳はそう言っているのに、体は思うようには動かない。
「どういうことかな、ルーク。ユーリが嫌ってこと?」
「ふざけんな、フレン、お前の顔が見たくないってことだろ。」
そう言いながら、口だけ笑みを浮かべる二人に、ルークはもはや首を振る動作しかできなかった。とにかく、否定をしなければと、必死に首を動かす。
その仕草に、二人はフッと笑い声を漏らす。
恐る恐るフレンとユーリを見れば、その顔は笑顔を浮かべていた。
自分の手をつかむ力も弱まっている。
どうしたんだろうとルークが様子をうかがっていると、二人は自分の手を解放してくれた。
(もう、許してくれたのか…?)
二人を見比べながら首をかしげるルークに、フレンは心からおかしそうに、そして可愛いものを愛でる様な笑みを浮かべると、とんでもないことを口にした。
「ルーク、残念だけどもう君に選択肢はないんだ。」
「そうだな。俺かフレンか、それとも他の誰かか…まぁ選ばせてやってもいいが……。」
何かを含んだ笑いに、ルークは再び背筋にのぼる悪寒を感じていた。
恐怖に歪むルークの顔を楽しそうに眺める二人は、その笑顔のまま、なんでもないことのように言うのだ。
「僕の物になってくれないなら、一緒に死んでくれないか、ルーク。」
「俺の物にならないなら、俺の物になるまで、周りの人間殺していってやるよ、ルーク。」
さぁ、どっちがいい?
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