Fe.F. ぷち小説※ヤンデレユーリ注意8 忍者ブログ
 
日記
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毎回のごとく、ヤンデレのユーリです。

ちなみに、ここでは嫉妬心はんぱないユーリ、じゃっかん乱暴をするユーリをヤンデレと呼んでます。
ヤンデレに関して解釈が違う方、そんなユーリは無理と言う方はブラウザバックをお願いします。

今回のぷち小説は、前回のヤンデレユーリ7の続きになります。
一応、ユーリとルークは付き合っていて、ヤンデレユーリのことをルークは怖がっている。
と言うことだけご理解いただければある程度読めると思いますが、ご注意ください。

また、ユーリがルーク以外のキャラに冷たいです。
それは無理!と思った方もご注意ください。

「つづきはこちら」から小説になります。
TOW2設定です。

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ロイドとルークが抱き合っている現場を目撃して以来、ユーリはよりルークに対する独占欲をあらわにするようになった。


「ルーク、一緒に飯くおうぜ。」

最近以前より元気が無くなったルークを心配して、リッドはルークを誘った。ちょっとでも気晴らしになればと思って言った言葉に、ルークは嬉しそうに笑う。

バンエルティア号の乗組員は、全員うっすらと気付いていた。
ルークの元気がなくなった原因に。
以前よりその笑顔が儚いものになってしまった原因に。

けれど誰もその原因を咎め、ルークから引き離すことができなかった。

何よりそれを、ルークが一番望まなかったからだ。

「今日の飯、なんだろうな。」

「俺、鶏肉が良いな。」

言いながら、軽い笑みを浮かべるルークに、リッドも笑って答る。

それならせめてもと、周りの人間はルークを気にかけた。
その原因の彼以外の人間との時間を持つことで、少しでもルークの心が和らいでくれればと思った。
周りの人間も、ルーク自身も、今の状態が良いものだとは思ってはいない。
けれど、どうしようもないこともある。
ルークは彼が好きなのだ。
それこそどうしようもないくらいに。

「おい、話しかけてんじゃねーよ。」

「!」

その低くどすの利いた声に、ルークはビクッと体を震わせた。
後ろから放たれた声に、おそるおそる振り返って、その言葉の主を確かめる。

「ユーリ…。」

「別に話すくらいいいだろ。」

言葉が沈んでいくルークとは逆に、リッドは呆れたようにユーリに言い放った。
けれどそれはユーリのお気に召さなかったらしく、グイッ!とルークの腕を強く引くと、そのまま強引に自分の両腕の中にルークを収めた。
もう、ここから逃しはしないとでも言いたげに。

「だめだ。こいつは俺としか会話しちゃいけねーんだよ。」

射殺すようなユーリの瞳に、リッドは頭をかきながらため息をついた。

「………。」

そしてその言葉には何も返さず、ルークの方を見つめた。
ルークは視線をさまよわせ、この場をどうするか迷っているように見えた。
その様子に、これ以上自分がユーリをいさめても、ルークが苦しむだけだと思ったリッドはルークに優しく笑いかけると、一言だけ声をかける。

「また今度、一緒に飯でも食おうぜ。いつでも誘ってくれていいからよ。」

コクンとそれに頷いたルークを確認すると、リッドはその場を立ち去った。

(ロイドの言ってたとおりだな…。)

あの二人を救うのは、なかなか骨が折れそうだった。






「ルーク、一緒に剣の稽古しようよ!」

鞘に入れた剣を振りながら、カイルはそう言ってルークに走り寄ってきた。
剣の稽古と言われて、ルークはカイルに満面の笑みを浮かべて答える。

「あぁ、やろう「ルーク!」

答えようとしたルークに、恋人からの声がかかった。
今朝のリッドとのことを思い出し、ルークは再び体をすくませる。

「本当、学習しろよな、ルーク。今、何しようとしてたんだ?」

楽しそうに笑うユーリに、ルークの瞳から生気が抜けていく。

「………。」

目に見えて沈んでいくルークをみて、カイルはその黒衣の男に抗議をした。

「ユーリ、ルークと俺は剣の稽古をしようとしてただけだよ。」

けれどそんなカイルの言葉には聞く価値はないと、ユーリは無視をしてルークを後ろから抱きすくめた。

「ほら、俺の部屋に行くぞ、ルーク。船内を歩くと、邪魔なやつが多くて困る。」

ルークはそれに頷けず、ただ黙っていた。
ロイドの時に覚悟は決めたはずなのに、それでも未だに迷いは消せなかった。ユーリは大事だけれど、ギルドの仲間も、ルークにとっては初めての仲間て、友達だった。
簡単に、割り切れるものではない。

「ルークはそれでいいの?!」

ユーリに引かれ、彼の部屋に連れていかれようとしているルークに、カイルはそう必死に問いかけた。

その問いに、ルークの瞳にさらなる迷いがよぎる。

「………。」

けれど、それは一瞬だった。
ルークは一度ゆっくりと瞬きをすると、カイルに向けて、ただ、笑った。

「何してんだ?カイル……。」

なかなか進もうとしないルークに、金髪の少年が何かしているのだろうと思ったユーリは、低く、重くのしかかるような声音で、振り返りながらそう言った。

「何もしてないよ。」

瞬間、ルークはユーリの視界を遮るようにカイルと恋人の間に割り込む。

「ルーク!!」

自分が助けてもらうよりもルークを助けたかった少年は、声をあげてその朱色の少年の名前呼んだ。
けれどその呼びかけに、ルークは答えない。
ただ、ひたすらユーリだけを見つめる。

「俺には、ユーリだけだから。」

言いながら微笑むルークに、ユーリは満足そうにルークを抱きしめた。

「今から、その体にも解らせてやるよ。」

「うん……。」

そうだ、自分には覚悟が足りないのだ。
ルークはユーリの体温を感じながら、そう思った。

覚悟が足りないから、みんなに迷惑がかかる。

覚悟が足りないから、ユーリが怖いんだ…。


ロイドも、リッドも、カイルも、他のみんなも、大好きだった。

でも、さよならだ…。



「もう俺は、ユーリ以外いらない…。」



「俺もだ、ルーク。」



もう、迷ったりはしない。
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