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毎回のごとく、ヤンデレのユーリです。
ちなみに、ここでは嫉妬心はんぱないユーリ、じゃっかん乱暴をするユーリをヤンデレと呼んでます。
ヤンデレに関して解釈が違う方、そんなユーリは無理と言う方はブラウザバックをお願いします。
「つづきはこちら」から小説になります。
TOW2設定です。
ちなみに、ここでは嫉妬心はんぱないユーリ、じゃっかん乱暴をするユーリをヤンデレと呼んでます。
ヤンデレに関して解釈が違う方、そんなユーリは無理と言う方はブラウザバックをお願いします。
「つづきはこちら」から小説になります。
TOW2設定です。
青空に輝く太陽。
青天のこの日は、久しぶりのデートの日だった。
お互いに午前中の仕事だったため、お昼に町の喫茶店で待ち合わせをして、そのまま午後は他愛もない会話をしながら、町をぶらぶらする。
ルークにとって、それだけでもとても楽しいことだった。
前にユーリに町を歩いてみて回るだけでいいのか?
と聞かれたことがあったが、今まで城に閉じ込められるように生活していたルークにとって、城の外を歩いてみて回るだけでも、毎回新しい何かを発見できる、とても楽しい時間だった。
それも、大好きな人と一緒なら、なおさら楽しい。
「あ、でも…ユーリにとっては珍しくもないよな…。もしかして、つまらない思いさせてたりしたら……ごめん。」
ユーリの質問に、ふと、自分だけが楽しんでいるような気がして、ルークは誤った。
けれど、ユーリはフッと笑うと優しく言ってくれる。
「俺は、お前の楽しそうな顔見てるだけで十分だ。」
「!!!」
とんでもない殺し文句に、ルークの顔が真っ赤に染まる。
「ユーリって、すっげータラシだ…。」
ぼそっと言った言葉に、お前にだけだぜ?なんていうものだから、本当に困る。
ルークは耐えきれなくなってその場から軽く駆け出す。
「おい、走ると転ぶぞ!」
「うっせー!」
後ろで可笑しそうに言うユーリに、ルークはますます恥ずかしくなって、軽く叫ぶように言い返した。
ドンっ!!
そのとき後ろを振り返りながら走ってしまったため、ルークは前を歩いていた人にぶつかってしまう。
「ってて……。」
その衝撃でしりもちをついたルーク。痛めた部分をさすりながらもすぐに起き上がり、ぶつかった相手の方を見る。
「すみません、大丈夫ですか?!俺、不注意で……。」
良いながら、ルークの言葉が詰まる。
目の前の人物は、ルークの不意打ちの衝突にも平然と耐えて立っている、相当に鍛えられた筋肉が体を覆う大男だった。
その男の目つきは、睨むようにルークを見ている。
「おいおい、坊主、謝って済む問題じゃねーだろ?」
あぁ…。これはたちの悪いのに捕まってしまった、とルークはうなだれる。
「……、お前、よく見たら可愛い顔してるじゃないか。」
グイッとあごをつかまれて、持ち上げられる。
「ちょっ!何するんだ!」
抵抗するが、男の力に抑えられて思うようにいかない。
(……なんつー力だ…。)
こうなれば剣でも抜いて抵抗しようかと思うルークだが、自分にも非があるし、何より街中で、町人相手に抜刀はしたくない、と言う思いが判断を鈍らせる。
「お詫びに一回相手しろよ。その顔ならどうせ何回かやってんだろ。」
下卑た薄笑いでそう言ってくる男に、ルークもさすがに頭に来た。
より近づいて抱き寄せてこようとする男に、一発だけだと決め込んで、手を出そうとしたその瞬間、目の前の男が吹っ飛んで行く。
「え……。」
そのあとには、ルークをかばうようにユーリが立っていた。
「ユーリ!」
安心したような顔つきでユーリを見上げるルーク。
自分を助けてくれたという若干の嬉しさもあり、その顔は少し赤らんでいた。
「お前…こいつに何したんだ。」
けれど見上げた先のユーリを見て、ルークの体は凍りついた。
ユーリの顔は、見たこともないほどに憎悪に満ちていた。
「ゆ……り………。」
その顔に恐怖を感じて、ルークはもう一度口から出た言葉を上手く紡ぐことができなかった。
ユーリはそんなルークを振り返りもせず、ただ目の前の男に向かっていく。
その手に握られた愛刀は、すでに抜刀されていた。
「お前、今こいつに触ったよなぁ?」
あざ笑うように言うユーリに、大男は顔をひきつらせて、小さな悲鳴を上げた。
「いや、そっちからぶつかってきたんだろ…。お、俺はそれを注意しただけで…。」
「最初に謝ってたよなぁ!!!」
「ひっ…!」
男の言い訳は簡単にユーリに一蹴される。
そのあとは良い言葉も思いつかないのか、徐々に迫ってくるユーリに、小さい悲鳴を繰り返すだけ。
「こいつに手ぇ出したんだ…。」
ユーリは飛び上がると、そのまま大男の上に覆いかぶさり、顔の真横に愛刀を振り下ろした。
男は自身の目の真横に突き刺さる刃に、声にならない悲鳴を上げた。
その前身は震えあがっている。
けれどユーリの追撃は緩まない。
男に顔を近づけて、にんまりと微笑むと、これ以上ないほど楽しそうに言うのだ。
「あんた、死んでも文句言えないよなぁ?」
笑いながら言うユーリに、ルークの体が硬直する。
止めなければいけないのに、体が思うように動かない。
「や、やめろ…や、やめてくれ。」
もはや最初の強気の姿など想像できないほど縮み上がった男は、必死に許しを請う。
その声音を聞き、ルークの凍っていた体がなんとか動いた。
(だめだ、ユーリにそんなことさせちゃ…。)
ルークは駆け出して、振り上げられた刀を持つユーリの腕に抱きついた。
「ユーリ、俺、もう大丈夫だから!それ以上はもうしなくていい!!」
ぎゅっと目をつぶって、叫ぶように言うルークの声に、大男の言葉など全て無視していたユーリは反応を示す。
「ルーク?」
向けられたまなざしは、どうして止めたのか解らないという顔をしている。
「こ、こんなやつの所為で、ユーリが汚れるの、やだ…。」
本当は、ここまで思ってない。
この男にされたことには腹が立つけど、自分だって不注意だった。
それなのにこの言い方は、あまり適切じゃない。
こんな言い方はしたくなかった。
けれど………ルークにはこの言い方以外に、ユーリにかける言葉が見つからなかった…。
「ルーク…。」
ルークの言葉に、ユーリの表情が和らぐ。
「…ルークがそう言うなら、まぁ、見逃してやるか。」
ユーリはそう言って、男に馬乗りになっていた体をどかす。
ルークから言われた言葉が嬉しいのか、その表情はあくまで柔らかい。
「行こう、ユーリ。」
青ざめた笑顔でそういうと、ルークはユーリの腕を引いてせかした。
「あぁ、次は先に行くなよ?」
また同じ目に合うからと注意するユーリに、ルークは大きく頷いた。
「もう、離れない。」
しっかりとユーリの腕にしがみついたルークに、ユーリは満足げに笑った。
「何があっても俺がお前を守ってやるからな、ルーク。」
「うん……ありがと、ユーリ…。」
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